内向型人間の時代を読んだ感想

内向型人間の時代
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内向型の素晴らしさについての記述がくどい。ただ、258ページ以降はとてもためになった。

知ったきっかけはとあるブログの記事でした。それからTEDの動画を見て、つまるところ何が言いたいのか結論がいまひとつ分からなかったので、本を読んでみようと思って今に至ります。

何が言いたかったのか

ひととおり読みはしましたが、途中かなり読み飛ばしたので抜けがあるとは思いますが、この本で言いたいことというのはこんな感じだと思います。

内向型の人間(大勢でわいわいがやがやするより、一人で静かに過ごすことを好む人というニュアンス)は、世の中には大勢いる。内向型の人の中には外向型の人間のように振る舞うことに長けている人が多くいるので、世の中には外向型の人が多いように思えるが、実際には内向型の人がたくさんいる。

しかし今の社会(特に教育について)は外向型の人に合わせた作りとなっていて、内向型の人たちは肩身の狭い思いをしたり、傷ついたりしている。

だからもっとみんな内向型の人間について知ってほしい。内向型の人はこんなにも魅力的なのだから。

・・・と、いうことを伝えたい本なのだと思います。

ですので内向型の人が外向型の人に向けて作られた社会の中で、どう振る舞っていけばいいのかといったことについては本題ではありません。最後の方にさらっと記述されていますが、そこがメインの話ではない本です。

そこを勘違いして読み進めていくと、なかなかつらいものがあります。

内向型の人間が社会でどう振る舞うべきなのかについて知りたいのであれば、パート4の258ページから読み進めた方がいいかもしれません。

前半はなぜ社会が外向型を前提とした作りになってきたのかという経緯の話、そこからパート4までは延々と内向型の魅力について語られています。訳文は自然で読みやすくはありますが、「くどい」と思ったのが正直な感想です。

実は子育ての本なのかもしれない

この本を読んで思ったのは、子供を育てる上で、親として必要な視点について示唆してくれているんじゃないかなということです。

子供が友達と遊びもせず、部屋で一人で本を読んでいる。そんな時、親としてどうするでしょうか。

「一人で本読んでないで、お外でみんなと遊んできなさい」なんていう場面が思い浮かびませんか? それこそこの本で書かれている、社会が外向型の人間を前提としていて、内向型であることは良くないことだという思い込みを表した場面です。

決して、殻に閉じこもっていればいいというわけでもないし、社交性など必要ないというわけでもありません。外向型の人間を前提にした社会が間違っているのだから、内向型の人間を前提とした社会に作り変えろというわけでもありません。

ただ、一人で本を読んでいる=内向的で良くないことだという思い込みはよくないという話です。「友達と遊ばせて、社交性を身につけさせねば」と短絡的に考える前に、ちゃんと子どもと向き合ってみてという話なのです。

もしかしたら、その子はとても繊細で、みんなでわいわい騒ぐことより静かに本を読むのが好きなだけかもしれません。もしかしたら、本当はみんなと遊びたいけど、どう接したらいいのかわからないだけかもしれません。

子供を無理に社交的な場に連れ出すことが、必ずしもよい結果を生むというわけではないことを知るべきです。

そういう意味で、子育てに重要な視点を教えてくれている本なんじゃないかなと思いました。 ・・・まぁ、子供いませんけどね。

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