ダンジョン飯2巻を読んだ
RPGでは「暗い・長い・面倒くさい」イメージのあるダンジョンに、生態系と食物連鎖の概念を持ち込んでコミカルに描いた作品。そんなダンジョン飯の第2巻を読みました。
舞台のダンジョンはハクスラ系のダンジョン、たとえば風来のシレンのようなダンジョンをイメージしてもらえばわかりやすいでしょう。ゲームにも空腹度の概念があるように、登場人物たちも腹が減ります。ダンジョン飯でメインになるのは、探索や戦闘よりも食事です。
ダンジョン飯の世界では、ゲームのようにおにぎりが落ちていることはないので、空腹に備えるには食料を地上から持ち込むしかありません。しかしとある事情から食料を用意する金はなく、そもそも準備に時間をかける余裕もないため、主人公たちライオスは手ぶらでダンジョンに突入。食料は現地調達することにします。なんでそんなことになったのかは、1巻を読みましょう。
現地調達ということは、つまり迷宮内を徘徊するモンスターを食べるということになります。モンスターを食べるというぶっ飛んだ行動は、当然登場人物たち(発案者除く)にとっても衝撃的であり、当然読者にしてもそうなのでそのインパクトが面白くて何度も読み返してしまいました。
1巻ではまだ食べられる魔物たちが出てきていましたが、迷宮を進んでいくとそもそも食べられない魔物が増えてきます。ゾンビだったり死霊だったり。第2巻ではそんな状況をどう切り抜けていくのかが見ものかもしれません。
とはいえ第2巻では、普通の野菜が出てきたり(栽培方法は普通ではありませんが)、そうかと思えばパンを作ったりと(なぜか命をかけて作ってましたが)意外と普通な食事をしている印象を受けました。その分1巻と比べると「そんなものを食べるなんて嫌だーっ!」というマルシルの顔芸が鳴りを潜めています。その点ではインパクトに欠けるなぁと思ってしまうかもしれません。
「そんな魔物を食べるの!?」というインパクトは弱いかもしれませんが、そのぶんだけ登場人物たちの意外な一面がクローズアップされています。モンスターに対して並々ならぬ愛情をもつライオス、とにかく調理することしか考えていないようなセンシ、PT内でもっとも冷静沈着であろうチルチャック。この三人のちょっと意外な一面に注目です。
私はライオスの、他の人とは実に絶妙なレベルで感覚がズレてるところが面白くて好きです。「食人植物可愛いだろ?」とか。いいこと言ってるのは分かるんだけど言い方が悪くて仲間からひんしゅくを買ったりとか。「見た目が可愛いからってケルビーの背中に乗るのは危険だ」と珍しくまともなことを言っているなと思って感心してみたら、実は自分はすでに経験済みで痛い目を見たから言ってるだけだったりとか。本人は至って真面目なんだろうけれども、その絶妙なズレっぷりが面白くて好きです。
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