働くプロの心の整理術を読んだ感想

働くプロの心の整理術
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具体的で分かりやすく、共感できるところが多かった

働くプロの心の整理術という題名ながら、前書きに書いてあるとおりに「明日会社へ行く足取りが重いという人」へ向けたとてもシンプルな本でした。

テーマがはっきりしていて、書いてある内容も具体的で共感の持てることが多く、読んでいて面白かったです。

凹んで落ち込んで何もやる気が出なくなってしまったり。思いとおりにいかなくてイライラしてしまったり。調子がいい時にはスイスイものごとを進めていけるのに、どうしてやる気は持続してくれないのか。

そういうとき、私は「どうすれば凹まずにすむか」とか、「やる気がでないスランプ状態からどうやれば抜け出せるのか」とか、「イライラせずにいつもとおり平常心でいるにはどうしたらいいか」とか考えていました。考え方としては、平常心ではない状態を排除する方向をイメージしてました。

しかしこの本を読んで「なるほど」と思ったのが、そういった怒りでどうしようもなくなる状態も凹んで鬱々とするのも、どちらも人間として当然の状態であるという考え方でした。それらはあって当然なのだから、そうなった時になってどうにかしようとするのではなく、平常心でいるうちに対策を用意しておくようにしようというのです。

気分が落ち込んだときは光り物をピカピカにする

気分が落ち込んでしまった時は、何かをしようとしても手がつきません。そもそも何かしようと考えようとすること自体うまくいきません。だから、凹んでしまった時に備えて「これをやればいいよ」というリストを用意しておくのです。

本ではガムを噛むとか、掃除をするとか、リラクゼーションCDを聞くとかいうことが書いてありました。要は簡単にできて、すっきりすることを用意しておけばいいということです。

大切なのは、その行動を凹んだ時に考えるのではなく、あくまで平常時に用意してあげておくことです。そのため、その行動リストを本書では「救済リスト」と書いていました。普段の自分から凹んだ自分への救いの手というわけです。

中でも面白いなと思ったのが、光り物をピカピカに掃除するという行動でした。

掃除をすること自体が、周りがスッキリする→気分もスッキリするという流れで、凹んだ感情によい効果をもたらしそうです。中でも光り物、たとえば金属製のものをピカピカに磨き上げるのは、きれいになったことが分かりやすくて効果が高そうです。

怒りの感情が制御できなくなったときのために、普段から根回ししておく

怒りの感情については、無駄なあがきをせず何もしないことが肝要だといいます。

例として著者の車の運転時の感情のうねりについて書かれていましたが、私も同じなのでとても良くわかりました。無理な割り込みされてカチンと来たり、とろとろ前を走られてイライラしたり。

車の運転にかぎらず、日常生活の中で理不尽な出来ことに対して反発することが少なからずあるはずです。そういったときに私は舌打ちしたり、睨み返したりして、少なからず「私は不快に感じているぞ」と相手に小さな反撃を試みてしまいます。

何もしないということは、その理不尽な行為に屈服してしまうことと感じてしまうからです。後でそんなことしなきゃ良かったとか後悔するくせに、その場ではやっぱりやってしまうのです。

車の運転であれば、その場限りのことだからまだマシかもしれませんが、職場などではそうもいきません。冷静に考えればよくないと思っても、一時の激情にとらわれどうしようもないこともあります。

今までの私であれば、いかにして怒りを抑えるかという発想で回避しようとしていましたが、この本は新たな視点を見せてくれました。

それは普段から根回ししておくという考え方です。こう書くと、なんだか良からぬことをイメージさせてしまいますが、こういうことです。怒りの感情に支配された自分を何とかするのではなく、周りに助けてもらおうという発想です。

怒りに支配されてしまう自分を受け入れ、周りにも受け入れてもらえるように普段から周りへの心配りを忘れないようにする。「普段優しく親切にしてるんだから、僕が怒った時くらい許してくれよ」というのとはちょっと違うんですが・・・。

ただ、怒りで制御できない自分を、ありのまま受け入れる。そして周りにも受け入れてもらえるように努力するという考え方が、私の中でとても新鮮だったのです。こうして書いてみるとうまく伝えられずにもどかしいのですけれども。

将来の不安と自信の無さに対する記述もあり

私がこの本を読んで「おおっ」と思ったのが、感情の上下はあって当然のことで、当然のことだからこそ普段から備えておこうという考え方でした。

本書は凹んでどうしようもないとき、怒りでどうしようもないときだけでなく、将来の不安や自分自身への自信のなさについての記述もありました。

具体的な記述で分かりやすい文章で、とても読みやすい本でした。

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