生き抜くための中学数学

生き抜くための中学数学
4284203932
starstarstar_borderstar_borderstar_border
私には合わなかった

アルゴリズムの問題を解いていて、なかなか回答にたどり着けなくて苦労する。いくつか挑戦してみて、プログラミング言語の知識がどうこうというよりも、数学的思考能力の欠如によるところが大きいということを痛感した。そこで数学を基礎から学び直そうと思ったのである。

学び直すなら最初からやったほうがいいと、中学レベルからやることとした。Amazonで評価が高かったのでこの「生き抜くための中学数学」という本を選んだ。

私の数学の知識は、高校数学の入り口部分で止まっている。通っていたのが商業高校だったので、高校数学の範囲のごく一部(というか入り口)しかやっていないのである。私の数学の最後の記憶がシグマ。微分・積分は言葉としては知っているものの、何をやるものなのかまったく知らない。

そんな状態なので、中学の範囲から学びなおすというのはよい選択肢だったように思う。実際本を読み返してみて、私の数学的思考力は中学レベルで止まっているのだなぁということがよくわかった。まあ高校レベルの数学を知らないのだから仕方ないが。

懐かしい中学数学たち

この本は、まず小学校で習う算数についての復習からはじまる。四則演算、図形、分数の計算や三角形などの図形の話。読んでいて「めっちゃ懐かしいなぁ」なんて思ったのが食塩水の話。そういえばそんな計算よくやってた。

今ではまったくやらなくなった筆算の話も出てきた。今では電卓使うもんなぁ。ちなみに意外と覚えているもので、今でもなんとか筆算で計算できた。小数点の割り算は怪しかったけど。

おまじないのように「き・は・じ」で覚えた距離=速さ×時間とか、なんでそうなるのか説明しろといわれたら困る台形の面積の公式とか。算数レベルですでに十分懐かしい。

中学の内容もまた懐かしい。文字式、1次方程式、円の面積、図形の相似とか。2次方程式の解の公式はさすがにほぼ忘れていた。忘れていたといっても、式についてはなぜか薄っすらと覚えていた。それを何に使うのかを忘れていたのだけれども、その忘れ方が個人的に面白かった。おまじないのように式だけ繰り返し覚えてたんだろうなぁ。

そんな感じで、懐かしさを感じながらひととおり復習ができてよかった。だが一方で、この本は自分には合わなかった。合わなかったというか、これを選んで失敗したなとは思った。

もっと章分けしてほしかった

私にはこの本は読みづらくて仕方がなかった。説明はとても丁寧だ。論理の飛躍もなく、丁寧に順を追って説明や証明をしてくれている。ただ、それを読みやすくする工夫は一切なかった。改ページなどページの構成について一切考慮されていないのである。

前フリの話題、前提となる知識、その証明、そして具体例。それらが特に小見出しに分けられることもなく、ずらっと延々続くのである。重要な単語が太字になっているくらいで、パット見で何が大事なのかがさっぱりわからない。そこだけが私は非常に気になった。気になったというか、もう一度振り返って読み直そうという気を起こさせない作りだった。

正直読みづらい。特に図形について解説する部分については、図は前(次)のページにあって説明は異なるページというものばかりで、ページを行ったり来たりしなければならないのが大変だった。改ページするなりして読みやすくする工夫をしてくれても良かったのではないだろうかと思ってしまう。

そもそも中学の範囲なので、「そんなのはわかっている」という私自身の驕りもあったとは思う。ただ、めっちゃ読みづらいというのがこの本の印象である。私はブログなどの小見出しのついている文章を流し読みすることに慣れすぎているので、特に読みづらいと感じたのかもしれない。

勘違いしないでほしいが、説明は丁寧であったと思う。また、数学的に厳密であるとも思う。ただ読みやすさについては考慮されていないと思った。

数学の本というのは得てしてこういうものなのかもしれない。私の場合、他の数学に関する本を読んだことがないので、比較対象がちょっと毛色の違う数学ガールになってしまう。それと比べると、いかに数学ガールが読みやすさについて考慮されていたのかということがよく分かる。

比較対象がまだない状態なので、こんなものなのかもしれないけれど、この本は自分には合わないなぁというのが正直なところ。これから他の本も使いながら数学の勉強をしていこうと思っているので、印象はまた変わるかもしれないけれど。

Amazonのほしいものリストを公開しています。仕事で欲しいもの、単なる趣味としてほしいもの、リフレッシュのために欲しいものなどを登録しています。 寄贈いただけると泣いて喜びます。大したお礼はできませんが、よりよい情報発信へのモチベーションに繋がりますので、ご検討いただければ幸いです。