刃物を研いだ結果を見たかったので顕微鏡を買ってみた

レイメイ藤井 顕微鏡 ハンディ顕微鏡DX グレー RXT300N
RXT300N
starstarstarstar_borderstar_border
包丁ならいけるだろうが、ノミの刃先をチェックするのは困難を伴うが、そもそも想定されない使い方になると思われる。

YouTubeで刃物を研ぐ動画を見ていると、ときおり顕微鏡で拡大した映像を見せてくれる人がいる。こうすれば研げているか一目瞭然という体で紹介されているアレだ。私も解いだ刃物の状態を見てみたいと思って顕微鏡を買ってみることにした。

必要な拡大率

同じタイミングでジュエリールーペも購入した。こちらの拡大率は、商品説明では40倍ということであった。しかしながら、40倍の拡大率1では肉眼で見るのに毛が生えた程度の見え方でしか無い。


顕微鏡として購入したのはレイメイ藤井のハンディ顕微鏡だ。単に「ちょっと見てみたい」レベルだったので、あまり高い顕微鏡を買うのもなぁと思ったところ、とてもお手頃な値段だったのでこれを選んだ。

こちらは拡大率が最低でも100倍からである。100倍あると刃物の状態がよく見える。

100倍で見た刃物の状態

こちらがその100倍で見た刃物の状態である。左側が刃物の先端部分になる。ところどころ細かい欠けがみえるし、表面の傷もよく認識できる。とりあえず100倍程度で見ることができれば、刃物の状態を確認する目的には足りる。

ただし100倍まで拡大するとなると、ちょっとした手ブレでピントがズレるし、目的の切っ先部分を見るのも一苦労することになる。

特にこのハンディ顕微鏡は見えている像が上下左右反対に映るので、位置調整に苦労する。

それ以外にもう1つ、特にノミなど刃先が細いものを見るのには適さないという問題があった。

距離を固定できない

対物レンズの状態

このように対物レンズの前の空間はオープンスペースとなっている。この顕微鏡より大きい刃物、たとえば包丁などに関しては特段問題にならない。しかしこれがノミのように刃先が細いものを見ようとすると、対物レンズの周りのプラスチックより刃先が狭いので、レンズと刃物との距離を固定できない。そのため手ブレによってピントがズレてしまうのである。

距離を固定できないためピントがズレる

100倍の拡大率で見ているので、数ミリ動いただけでピントはぼやけてしまう。これでは刃裏はともかくしのぎ面の状態を見るのは不可能である。

ちょっと改造

そこで私は対策をとった。レンズ周りのプラスチック部分にアクリル板を取り付けることにしたのである。

アクリル板をつかった解決策

刃物とレンズの距離が固定できないのが問題なので、アクリル板で刃物との距離を固定できるようになれば問題は解決する、はずである。まだハンディ顕微鏡に固定しているわけではないので、手でアクリル板を抑えながらの運用ではあるが、少なくとも中空で悪戦苦闘するよりは随分見やすくなった。

アクリル板経由での像

アクリル板経由で見ると、アクリル板自体の傷や付着しているホコリなどで像がきれいに見えない。これについては、アクリル板に穴をあけることで回避しようと思っている。対物レンズの周りにぽっかり空洞がある状態から、ほんの小さな穴が開いてるだけの状態にするわけだ。穴の位置の調整が大変そうではあるが、そうすれば刃物との距離はアクリル板で固定でき、見る像自体はダイレクトな像にできる。

研ぎの練習のためならディスプレイ付きのマイクロスコープがよい

そういった改造が必要ということもあり、刃物の研いだ状態を確認する目的であるならば、そもそもディスプレイ付きのマイクロスコープを買うべきだった。

レイメイ藤井のハンディスコープ自体は決して悪い商品ではない。むしろいい商品である。LEDライトで光を当てながら対象を観察できるし、何よりとてもリーズナブルな価格である。刃物の画像をこの記事にも貼っているが、スマホのカメラとハンディ顕微鏡を接続するためのアタッチメントもついていて、スマホで拡大画像を撮影することも簡単である2

ただ、刃物の刃先をチェックする目的だと手間がかなりかかる。最初は研ぎながらチェックしようとか思っていたが、そんなことは不可能である。不可能ではないが労力に見合わない。

しかしせっかく買ったのだし、ちょっと工夫して使っていきたいと思う。


  1. 本当に40倍の拡大率で見えているのかは疑問があるが、それはさておく。 ↩︎

  2. ただしカメラと接眼レンズとの位置調整がすごい大変。 ↩︎

Amazonのほしいものリストを公開しています。仕事で欲しいもの、単なる趣味としてほしいもの、リフレッシュのために欲しいものなどを登録しています。 寄贈いただけると泣いて喜びます。大したお礼はできませんが、よりよい情報発信へのモチベーションに繋がりますので、ご検討いただければ幸いです。