統計学をまる裸にするを読んだ感想

統計学を丸裸にする データはもう怖くない
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統計とは関係ないけど、CSI:回帰分析はなんか面白そうだなと思った。

私が統計学に興味を持っているのは、多分2つの理由からだと思います。

1つ目は、そう思っているのはきっと私だけではないはずだと思います。ややこしい数式を使いこなして、説得力のある数字をどんと導き出す。カッコイイじゃんっていう憧れです。

ただ、私の統計学に対する興味は、2つ目の方が大きなウェイトを占めているということに気が付きました。

つまりこういうことです。

アベノミクスで雇用100万人を創出したというが、実際に増えたのは非正規の労働者で、正規で働いている人・正社員はこの2年間で38万人減った。

ということを見て、何だよアベノミクスで正規雇用減ってんじゃねえかよと、短絡的に考えてしまわないようにしたいという理由が大きいんだと思います。

その数字が示す意味を考え、「じゃあその年齢別の内訳ってどうなってんの?」ということに頭が回るようにしたいわけです。

統計で大事なのは理論ではない

統計の数式とか理論を学ぶという意味では、この本はさして役に立たないと思います。

むしろ数式や理論を深めたいというのであれば、この前読んだ「この世で一番おもしろい統計学の本」の方が分かりやすいと思います。

この本は実際に統計学がどう使われているのか、何に気をつけるべきなのか、そういうことを具体例を用いて説明している本です。

平均値と中央値の違いとか、標準偏差や分散とか、正規分布や中心極限定理とか。そういう統計の理論より、導出された数字のもつ意味をどう解釈するのかという、数字の意味を考える力の方が重要なのではと読んでて思いました。

理論を完璧に理解し数式を使いこなしても、集めたデータがむちゃくちゃであれば導き出された結論もめちゃくちゃになってしまいます。数字のもつ力が強力だけに誤った結論が出てしまうこともあることに気を付けなければならないといいます。

読みやすいか・読み易くないかでいうと、分量が多くて読みやすいとはちょっといえない本です。扱われている具体例も、アメリカの事例を元に書いているので馴染みのない話もあったりします。(個人的には逆にCSIの話があって分かりやすかったりもしましたがw)

統計にまつわるいろんなバイアスの話があって面白いなと感じましたが、分量の面から気楽に読める本ではないなぁというのが正直な感想です。

この本を読んで、統計で大事なのは数式や理論は単なる道具であって、それをどう使うかがもっとも大切でもっとも難しいのだということがわかった気がします。

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