ゼノブレイド3を遊んでみた感想
クリアまでは100hくらいだっただろうか。その後ユニークモンスターを狩ったりクエストをやったりで追加で30h。改めてメインクエストのみを遊び直して20hくらいを遊んだ。
ストーリーは正直拍子抜けというか肩透かしを食らったというか。個別にみると感動もするしいい話と思うところもあるが、全体としては面白みに欠けた。
よいと思ったところもそれなりにあって最後まで遊べたが、なんともモヤッとする体験だった。
なるだけネタバレ要素は注釈にまとめたけれど、読む際は注意してほしい。
感情移入できないストーリー
ストーリーに私は感情移入ができなかった。
そもそも主人公たち6人の境遇が特殊すぎる。10歳くらいの年齢で生まれてきてその後10年を戦争して過ごすという設定。この世界の成り立ちの「謎」の1つではあるが、これか感情移入を難しくしている。だってこっちの常識が通用しないから。
とはいえその設定のせいで感情移入ができないのではない。感情移入の最大の阻害要因は途中幾度となく挿入されるムービーと細かな違和感の存在である。
ちょっと歩いたらムービー。しかもロードが長い。ムービー挿入前以外でのロードは気にならないから、余計にこのタイミングでのロードが気になる。
また主人公の行動に細かなツッコミどころ1がちらほらあってこれも集中を妨げる。なんでそうする・こうしないという感情が邪魔をしてストーリーに集中できない。
集中できないから終いにはやらされている感が出てくる。ここへ行け、これを集めろ、これを倒せ。途中から作業感が強くて面倒くさくなった。しまいには戦闘しながら・マップを移動しながら寝落ちすることが何度もあった。
久しぶりにやってる途中で「もういいかな・・・」って思った。最後までやったけれど。
何やってるかよくわからない戦闘
戦闘は正直何やってるかよく分からないが感想だろうか。
よく分からないのは、解像度が荒いのが要因として挙げられる。旧式のSwitchだから、出力しているディスプレイが4Kだからかもしれないけれど、明らかにゲーム中の画面がボヤケている。ムービー時のくっきり表示とはかなり開きがある。
もっとも仕方ない面もある。戦闘参加キャラが味方で7人。シーンによってはもっと増えることもある。敵も同じくらい参加する戦闘もあって、数の暴力が繰り広げられる。解像度を落とさないと描写しきれないのだろう。これはSwitchでよくやったよなあと褒めるところなのかもしれない。
距離感がよく分からないのもマイナス点。これは2の頃からあまり変わっていない。巨大な敵との戦いは心踊るのだろうけれど、この距離感のせいで逆に臨場感が失われる2。
あとは操作に対する反応も臨場感を失う要因になってはいまいか。オートアタックが移動でキャンセルされるのだが、これがメリットでもありデメリットでもある3。またアーツ発動中は技によるがかなり長い操作不能時間があるせいでもっさり感を感じてしまう4。
まあ悪いところばかりではなく改善点もあるのだ。
チェインアタックゲージがチェインアタックのための専用のゲージになったこと、これはよい改善点だ。チェインアタック自体は1にも2にもあった。しかしながらこのゲージは仲間を助け起こすのにも必要なゲージだった。そのためこれまではチェインアタックを気軽に打つことができなかった。チェインアタックを使うことはリカバリ手段も捨てることだったからだ。
では助け起こしはどうなったかというと、ヒーラーのみが行える行為になった。アタッカー、ディフェンダー、ヒーラー。この3つのクラスの役割が今まで以上に重要になった。
しかしそういった改善点よりも、問題点の方が多くて戦闘がつまらんと感じてしまう。
しかも1戦1戦が長い。1回の戦闘に10分とか平気でかかる。オート戦闘が用意されている理由が分かるというものだ。戦闘に負けても一切のペナルティがないが、10分かけて負けるとか徒労感が半端ない。
もっとも、その分戦闘BGMがしっかり聞けるというメリットがある。ユニークモンスターやボス戦、メビウスとの戦闘曲などなど。耳に残る良曲が揃っている。
あと戦闘の最中ではないが、どんなにこちらのLvが高かろうとアクティブに攻撃をしかけてくる敵の存在が鬱陶しい。ケヴェス・アグニス兵の他、ラストダンジョンの敵、擬態して隠れている敵はこちらのLvに関係なくタゲってくる。戦闘が面倒くさくて回避したいのにそれを許さない敵の配置がなされているのはいただけない。
魅力的なキャラクターとそうでないキャラクター
キャラクターは魅力的なだけにすでに述べたような問題点が残念で仕方ない。手放しで神ゲーと讃えられたらどんなに楽だったか。
お気に入りはユーニとタイオン。タイオンは本当にいいキャラすぎて、珍しく男キャラなのに魅力を感じてしまった。単に皮肉屋だと思っていたが、細かい気配りの男であった。まあ操作キャラはほとんどユーニで固定だったけれど。
しかしながらヒーローも含めるとかなりの数のキャラクターになるため、魅力が分散されて薄っぺらい印象を受けるのが残念5。
各キャラの挫折と奮起を描くのに都合よく消費されるメビウスには辟易した。メビウスは本当に・・・くどい6。噛ませ犬ポジなのはわかっているが、くどい。戦闘に勝ってるのにムービーで苦戦するパターンもくどかったよ・・・7。
最終的には微妙な評価
まあそんなこんなで、面白かったかと聞かれるとう~んとなってしまう。
150hも遊んでおいて面白くなかったわけはない。だが体験はスッキリしない。何がスッキリしないかというと、結局の所はストーリーがノットフォーミーだった。私には合わなかった。
いや、個別に見れば感動したシーンとかよかったシーンとかあるんだけど。手に汗握る戦闘に辛勝するような感覚を味わうこともあったし・・・。
それでも最終的に微妙な印象なのは、ストーリーが腑に落ちないからだろうか8。まあこうするしかなかったのも理解できるけどね。
そんなわけでエキスパンション・パスも現時点では買うか微妙なところ。追加ストーリーに実装で手のひら返すかもしれないけれど、今の評価はこんな感じだ。
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いくつか例を挙げる。//着替えのときに恥ずかしがる男性陣。ちょっとクスッとできるエピソードのつもりかもしれない。しかしこれの前に恥ずかしげもなくユーニと一緒に風呂に入っているのに、その後の着替えではなぜか恥ずかしがっている描写は矛盾している。風呂を気にしないのは特殊な世界観のせいと理解しようとしていたところに、唐突に着替えごときで恥ずかしがる男性陣。この世界も貞操観念があるのだとしたら、序盤でユーニも風呂に一緒に入る描写は不要だし、そうでないならここで恥ずかしがる意味がわからない。お前ら風呂では平気だったやんって。ユーニが幼馴染だからとかユーニが男女の区別をしないからとか理由があるのかもしれないが、もうこのシーンがこの世界の設定とか受け付けない原因な気がしてきた。//光学迷彩を装備した敵に突如襲われる。その後で休憩を挟むのだが、なぜか見張りを立てている素振りがない。お前らの警戒感どないなっとんねんとツッコまずにはいられない。//メビウスに対する警戒感も持たずに真の女王のところへ向かって、案の定メビウスに襲撃される。こいつら戦争しかない世界に生きていながら頭お花畑すぎるだろう・・・。いや、逆にだからこそお花畑なのか・・・?//このように細かなツッコミどころが豊富で、ストーリーに一貫性を感じられず、ツギハギ感があって全体として楽しめないのである。 ↩︎
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マーリンなどの空を飛んでる巨大な敵は文字通り「空」を殴っているように見える。攻撃している実感が得られないのだ。逆に大怪獣(ドラゴンとか)は上半身には当たり判定がないらしく、攻撃が当たると感じる距離でも攻撃できていないことがよくある。 ↩︎
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攻撃後の隙を移動でキャンセルできるが、攻撃前の前フリもキャンセルされるので、失敗すればいつまでたっても攻撃しないことになる。一部クラスはオートアタックのモーションが非常に見づらいため、アーツキャンセルも難しい。戦術士、お前だよ。 ↩︎
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アーツの発動中は何もできない。オートアタックとは逆である。アーツ発動と同時にふわっと後ろに下がりながらゆっくり攻撃するとか。アーツのモーションは基本的に大振りなものが多いが、そのせいでスピード感が失われる結果になっていると思う。フィールド設置技ですら中途半端に移動して発動するので、もっさり感が拭えない。目玉であるインターリンクもこのせいで爽快感がない。 ↩︎
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ノアは最初っから最後まで完璧超人という感じで感情移入の対象にはならなかった。ミオは寿命間近という設定で、途中まではすごく共感できていたのにエムと入れ替わったあたりからもうどうでもよくなった。 ↩︎
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でてくるメビウス、いかに兵たちを残虐に殺すかということにこだわりを見せる。こっちの感情を逆なでしてくるのである。それに対して得られるカタルシスがないので、ただただ苦痛だった。ラスボスのゼットも口を開くごとに小物感がでてきて、ラスボス戦は心が無になった。 ↩︎
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なんなら負けるまでもある。え、さっきの戦闘は一体何だったのと思わずにはいられない。そう感じることはこの展開が一度では済まないことを意味している。だからくどいのだ。 ↩︎
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最終的になんで2つの世界はまた別れたの? 最後はなんか夢オチみたいな流れになってたけども。アイオニオンは夢の世界の話だったの? ↩︎
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