ポケモンを捕獲する楽しみに特化したポケモンレジェンズアルセウス

Pokemon LEGENDS アルセウス
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対戦やりこまない人にちょうどいいポケモンな気がする

トレーラーを見たときに、こういうポケモンを待っていたんだとテンションが上った。

ポケモンといえば通信対戦。しかし私はそこに熱意をかけることはできず、単なるRPGとして遊ぶにとどまっていた。本作はそんな人にピッタリの作品かもしれない。

フィールドを走り回って「お、ピカチュウおるやんけ!」と思わぬ遭遇に心躍らせることができるなんて。今までのポケモンでは味わえなかった楽しさがここにはある。

アクション要素が加わったポケモン

本作がどういうゲームか説明をするならば、広いフィールドを走り回ってポケモン探して捕獲するアクションゲームである。

ポケモンの挙動が地味に細かい。こちらを認識すると即座に逃げる、逆に攻撃してくるといった普通な対応をするポケモンも多い中、一方でこちらに興味を持って逆に近づいてくるポケモンもいる1

しきりに「ポケモンは恐ろしい存在だ」と強調されるように、本作ではポケモンが主人公にダイレクトアタックしてくるのが一味違う。基本的にポケモンはこちらを認識すると襲いかかってくる2。従来作品で手持ちポケモンがすべて戦闘不能になると目の前が真っ暗になっていたが、戦えるポケモンがいなくなって主人公がやられていたわけかと納得できる。

従来作品のように捕獲したポケモンを繰り出し戦わせることも可能。従来のように戦闘中に野生ポケモンを弱らせて捕獲することができるのも同じだ。ただし戦闘に入らずとも捕獲可能であるからなのか、基本的に野生ポケモンは強い。相性で有利なポケモンを繰り出しても逆に相手から弱点つかれて一撃で沈むなど日常茶飯事である。

捕獲のバリエーションが豊富

アクションと言っても、結局のところ草むらに隠れてひっそりと近づいてポケモンにボール投げるだけの作業じゃんと最初は感じていた。

しかしそれだけではポケモン捕獲は難しい。いつしか木の実を投げることを覚えた。ポケモンが木の実に気を取られたすきに後ろに忍び寄りギガトンボールを投げる。最初は恐ろしくて近づくことすら避けていた親分ポケモン3がカモに変わった瞬間であった。

しまいには見つかってこちらに攻撃をしかけてきている状態でも、手持ちのポケモンではなくむしくいぼんぐりを投げつけて疲れさせて捕まえるという方法を知る。最初はポケモンに見つからずに捕まえることにとらわれるあまり、ポケモンに見つかることがストレスだったが、戦うすべを見つけた。たとえ手持ちポケモンが全滅していようとも、むしくいぼんぐりがあれば戦える。主人公はしたたかだった。

始めた頃はむしくいぼんぐりはバッグがいっぱいになったら捨てる筆頭だったのに、今ではメインウエポンといっても過言ではない。

ポケモンの育成が楽

本作ではポケモンの育成がかなり楽である。ポケモンを捕獲するだけで勝手に経験値が入るのだ。

気づいたら勝手にレベルが上っているという意味で楽ではあるが、それだけではない。従来作品で面倒だなと思っていた個体値が存在しないのだ。したがって個体値厳選のためにポケモンを乱獲する必要がない(が、代わりに図鑑完成のために乱獲することになるのだが)。

そして技を覚えさせる手間が圧倒的に楽だ。従来作品なら卵経由で苦労して覚えさせるような技が、初期状態で覚えていたりする。強力な技であれば道場を使うことで覚えさせることが可能。そしていつでもその技構成を自由に変更できる。なんて贅沢な機能だろう。

これくらい楽にポケモンを育成できるのであれば、もっと対戦に興味持っていたかもしれないなと思わずにはいられない。本作では技構成をあれこれいじったとしてもそれを発揮する場所が少ないのが悲しいところである。通信対戦機能がないからだ。

せめてリアルタイム対戦はなくてよいので、自分の考えたポケモン構成を登録して対戦できるような仕組みがあればよかった気はする。道場でNPCと対戦できるが、そのポケモン構成や技構成をユーザが登録したものを使うといった感じで。それがあるとやりこみ要素としてもっとよかった気がする。

ボリューミーな任務たち

基本的には非常に楽しめた。というかまだ楽しんでいる最中である。

ストーリーのとりあえずのクリアは終わったけれど、そこから伝説のポケモンが出現しだしてそれを確保していくという、ポケモン恒例の儀式の最中なのである。これが結構たいへん。

ゲーム内では一切ヒントがなくて攻略サイト見るしかないやつとかあって困る。そう、海の伝説、おまえのことだよ。もしかしたらゲーム内にヒントがあったのかもしれないが、ものすごい不親切な作りなのは否めない。107個のともしびを集めるやつもかなり苦行である4

アンノーンのようにちゃんとゲーム内でなんとかできるように作れなかったのかと思う。アンノーンはアルファベットを解読できることが前提とはなるが、ちゃんとゲーム内でどこにいるかが書かれている。こちらの探索は楽しめたし達成感もあってよかったのに。

ところどころバランスがおかしいと感じることもあるけれど、今後のアップデートで改善されたりするかもしれない。されたらいいなあ。

総じて、これまで通信対戦は特にやらなかったライトなポケモンプレイヤーにはちょうどいいゲームな気はしている。私がそうだからだ。

アクションが苦手だと厳しいかもしれないが、そうでなければやらないのはもったいないと思う。細かい不満点5がないわけではないが、総じて楽しめている。


  1. たとえばコダックはこっちに興味を持ってしばらくついてきたり、プレイヤーの周りで跳ね回って興味を惹こうとする。ただいきなり攻撃仕掛けてきたりすることもあって、ポケモンの性格で挙動が違ったりするのかもしれない。だとすれば実に細かな配慮だと思う。他にも話題になって有名なやつで、ダメージを追った主人公を見つけると近づいてきて気遣う素振りを見せるハピナスなど。そういう挙動の違いを見て楽しめるのもよい。 ↩︎

  2. 地味にホーミング機能のついた攻撃もあったりして、意外と回避が難しかったりするので油断ならない。しかも野生ポケモンの集団に見つかるとあちこちから攻撃が飛んでくるので結構たいへん。 ↩︎

  3. 目が赤く光っていて近づくと専用BGMが流れる通常より巨大な個体ポケモン。緊張感を煽るBGMだしやたらと好戦的で、しかもかなり敏感にこちらを察知するので恐怖の対象である。ゲームを始めた当初は鎮めないと捕獲できないんだと思っていたが、そんなことはなく普通のポケモンと同じように捕まえることができる。 ↩︎

  4. 特定のポケモンを手持ちに入れて特定の時間でマップの特定の場所に行く必要があるとか、そんなの分かるわけがないだろう。ともしび集めもマップ上にある火の玉をこれまたヒントも何もない状態で探し回らなければならない。夜に上空から探し回ると効率的ではあったが、それも限度がある。虱潰しでかなりがんばったが結局のところ攻略サイト見ながら集めた。もっともともしびを探し回る過程で、それまで遭遇していなかったポケモンを見つけたりできたので、ちゃんと功の部分もあるとは思う。が、やっぱりもっとなんか方法はなかったのだろうか。ガチグマで探せるようにするとかさ。 ↩︎

  5. カメラが若干よいやすいのは地味に辛い。特に海の上はポケモンとの距離感がわかりづらく厳しい。後はUIも独特でいつまで経っても慣れない。メニューを開く=プラスボタンという刷り込みがあるので、上矢印キーでメニューが開くのは違和感があるのかいつまでたっても慣れない。序盤はモンスターボールを投げるつもりが手持ちポケモン投げつけて、せっかくスニーキングしてたのが無意味になるのがお約束だった。 ↩︎

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