スーパーマリオオデッセイ
面白いのは間違いない。特に最後の演出はアツかった。
3Dのゲームなのに、2Dの世界を行き来したりするのも面白いと思ったし、いろんなギミックがあってそれなりに楽しめたと思う。
ただ、私自身は世間で絶賛されているほどにはまり込めはしなかった。その原因の多くは、私の場合はカメラによるところ(視点の問題)が大きいと思っている。
カメラの自動補正
スーパーマリオオデッセイは私にとっては酔いやすい部類のゲームになる。3D酔とはちょっと違うかもしれないが、プレイできなくなるほど気分が悪くなるわけではないものの、若干目が回るような感覚が残ってしまう。同じ3Dのゲームでも、ゼルダやスプラトゥーンより確実にプレイしていて違和感が強い。理由としては、プレイ中にカメラが勝手に動き回るのがきついのだと思っている。
特にボス戦でボスが動き回るのに合わせてカメラが回転するのには思わず「おい、やめろ」と声が出てしまった。ゲーム側で親切心からカメラを動かしてくれているのだろうが、これが私にとってはお節介にしかならない場面が多々あった。特に水中に潜るステージ(湖と海の国)では、水中に潜っているときのカメラ補正が気に食わなかった。
確かに一部の場面においては、ゲーム側で補正してくれるカメラの移動がありがたいときもあったのだろうけれど、それよりも「勝手に動かすんじゃねぇ」とストレスに感じる場面の方が印象に残ってしまう。私が3Dのゲームを苦手に感じる理由の1つだろう。
操作方向に混乱する
カメラ関連であげておかなければならない問題として、操作方向についても触れるべきだろう。といってもこれをストレスに感じるのは人によるのだろうけれども。
私は3Dのゲームでも基本的にはプレイヤーの真後ろにカメラが固定されているようなゲームしか基本的にはやったことがない。だから、本作のようにマリオを見下ろすような形のカメラ位置ではあるものの、それがマリオの後方に決まっているわけではない状況に戸惑うことが多かった。3Dなのにカメラの動きが制限されるようなステージでも違和感を感じることがあった。
たとえば砂の国のキラー迷路では自分の思ったとおりに操作できずにストレスを感じた。カメラが固定なのにプレイヤーの向きは360度動く。マリオが画面の右側を向いているときに、画面の上側に方向を変えようとしたときに、私はスティックを左に入力してしまう。結果、なぜか下方向に向きを変えてしまい毒沼に落っこちるということを何度も繰り返した。
私はマリオを基準に移動方向を考えるのだが、実際には見た目に対してスティックを入力する必要がある。上記の例でいえば、画面上側に向きを変えたければスティックを上に倒せばよいのである。これに気づくまでかなり時間がかかった。そして、気づいたところでなかなか慣れない。
キラー迷路が顕著だったが、他にもポールや鉄骨など、捕まって昇り降りするオブジェクトでの操作も混乱する。すべて私がマリオを基準に移動方向を考えるのに対し、画面に写っている見た目に対して入力方向を処理するようになっていることによるものだ。
これは3Dゲームに対する認識の癖によるものなのでどうしようもない。私の認識が正しいなんていうつもりはない。だって、私自身場面によって見た目に対して入力している(たとえば上から見下ろすカメラ位置でマリオが右に向いているとして、画面右に向かって進むのに右を入力する。決して直進するために上を押すわけではない)のだから、場面によって入力基準を切り替えて考えている自分のほうがおかしいと思う。その観点からいえば、すべて見た目に対して入力を処理するほうが正しいだろう。
この問題はカメラ操作がリバースでなければ違和感を感じる人ほど顕著ではないのかなと思う。私だけだろうか。
苦手な人への配慮
上記のカメラや操作方向に不満があることもあって、私はクリボーを踏むのすら苦労する。3Dマリオをプレイするのがこれがはじめてだったこともあるだろう。最後にやったマリオはたぶんスーパーマリオワールド(SFC)だと思うので、マリオ自体も久しぶりである。
ただ、そういう操作に不慣れな人であろうともゲームクリアできるように作られているのは流石だなと思う。
おたすけモードというマリオの体力2倍、立ち止まれば自動回復、ステージから落下しても死なずに落ちる前の場所に復帰させてくれるというイージーモードが用意されていることもそうだが、パワームーンをすべて集めなくとも先に進める仕様なのもうれしい。そのパワームーンもどうしても見つけられない人のために、ゲーム内でヒントが用意されているし、なんならクリア後であればコインを集めれば無限に個数を増やすことができるようにすらなっている。
では簡単すぎてやりごたえなどないのかといえば、シビアな操作を要求する難易度の高いステージも用意されている。
Joy-Con分離持ち以外のプレイスタイルのことも考えてほしかった
本作ではJoy-Conの分離持ちによるプレイが推奨されている。コントローラーを振ることによって特殊なアクションが発動するようになっているからだ。
私は基本的にProコンでプレイした。Proコンでやると、この「コントローラーを振る」操作がわりと難しい。コントローラー自体を振るので、移動しながらこの特殊アクションを発動させるのが難しい。
ただこの特殊アクションは、基本的に使わなくてもクリアできるようになっている。特殊アクションも活用できると難易度がぐっと下がったりはするけれど。
しかしながら。
操作が苦手な人に対する配慮をしっかりやっているのに、なぜこの特殊アクションに対する配慮だけはなかったのだろうと不思議に思う。
Joy-Con片側だけでも操作できるように、使うボタンは少なく設定されている。このことから、未使用のボタンがいくつか余っている。余っているのだから、そこに特殊アクションを割り当てることはできなかったのだろうか。
Proコンはまだましだけれども、携帯モードで遊ぶ場合この特殊アクションは使用不可能と考えたほうがいい。コントローラを振る=画面も一緒に振られることになるからだ。
いろんな配慮が行き届いているなと感じるので、ここだけは不思議でならない。
ただ逆にいうと、ここくらいしか文句の付け所がないともいえるわけである。個人的には3Dのゲームに慣れないという点でそこまで熱狂できなかったが、それでもよくできたゲームだと思う。
Amazonのほしいものリストを公開しています。仕事で欲しいもの、単なる趣味としてほしいもの、リフレッシュのために欲しいものなどを登録しています。 寄贈いただけると泣いて喜びます。大したお礼はできませんが、よりよい情報発信へのモチベーションに繋がりますので、ご検討いただければ幸いです。