自分の小さな「箱」から脱出する方法を読んだ感想
俺がこんなにがんばっているのに、なんであいつはちゃんとやってくれないんだ!
なんていう経験は誰しもあると思います。この本には、そんな状態から抜け出すためのヒントが書いてあるかもしれません。
「箱」とは何か
自分を肯定するために他人を非難してしまう状態を、この本では「箱に入っている」と表現しています。
たとえば、電車内で座席に座っている時に、目の前にお年寄りの方がやってきたとします。 席を譲ろうかなと思ったものの、どうせ誰かが譲るだろうと考えて無視することにしました。 俺は仕事で疲れてるんだから仕方がない。それより向かいの席の高校生が席を譲ればいいんだ、若いんだし。 大体、席を譲ろうとしても「わしは年寄りじゃない!」と逆切れされるかもしれないし。 だから席を譲らなくてもいい。
このときの「俺」が「箱に入っている状態」です。
本書はとある企業に勤めるマネージャー職の男を主人公とし、このような「箱に入ること」が引き起こす組織における弊害を、ストーリー形式で解説しています。
「箱」から出るためには
箱に入った瞬間から、相手を「物」として見るようになります。「物」として扱われた相手も、同じように箱に入ってこちらを責めてきます。そうなるとこちら側も自分を守るためにますます箱にこもるようになり、自己を正当化し、他人を否定・攻撃するようになってしまいます。まさに悪循環です。
この負の連鎖を断ち切るには、箱から出るしかありません。どうやったら箱から出られるのか、箱に入らずに済むのか。その答えがこの本にズバリ書いてありますとは言いません。それは「こうすれば絶対出られる」という性質のものではないからです。
箱に入らないようにすることは無理なことですし、誰しもどこかの場面では箱に入ってしまうものです。ですが、箱から出ることで得られるメリットはたくさんあります。今自分は箱の中にいるのか、相手を「物」として見ているのか「人」として見ているのか。相手を非難する前に自分を振り返る。そういう心がけが箱から出るためのきっかけになるでしょう。
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