ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団を遊んでみた
VitaのダンジョンRPG。いわゆるハクスラ系のゲームです。キャラメイクしてダンジョンに潜って、アイテム集めて強化して・・・っていうゲームです。世界樹の迷宮とかそんな感じのゲームを想像すれば分かりやすいでしょう。
Amazonでも評価が高かったので買ってみましたが、私は3次の評価をしているコメントにとてもシンパシーを感じます。
ストーリー面でいえば完全に人を選ぶでしょうし、何より個人的には戦闘に面白さを見出すことができませんでした。結果、満足度があまり高くないのかもしれません。
戦闘が面白くない
このゲームをやって、一番惜しいと思ったのは戦闘部分でしょう。戦闘がとにかくつらい。
ダンジョンRPGの戦闘なんて、最終的には毎回同じことやるだけ・・・。そんなことをいうと、コマンド式のRPGすべてにいえることになってしまいますが、このゲームではいろんな独自要素が絡み合って戦闘が面白くなくなっているように思います。
たとえば小隊システム。普通のRPGでいえば5人PTであるところ、このゲームでは最大で15人が戦闘に参加します。するとどうなるか。敵の全体攻撃によるエフェクトが15人分発生するのです。このストレスがお分かりになるでしょうか。ドラクエに置き換えて考えてみると想像しやすいと思います。戦闘に参加するメンバーが15人。ザコ敵に遭遇。ギラを唱える敵が5体出てきました。そのすべてがギラを使いました。それだけで75回も「バシッ、バシッ」というSEを聞かないといけなくなるわけです。
なら戦闘を避ければいいという話になります。ここで立ちはだかるのが、このゲームのエンカウント方式です。このゲームはシンボルエンカウント方式で、あらゆるザコ敵を含めてすべてマップ上に表示されています。なので、敵シンボルにぶつかりさえしなければ戦闘になりません。
見えてるなら問題ないとお思いになるかもしれませんが、このゲームはダンジョンRPGなんです。敵が見えていても通路の横幅が1マスだと敵を回避して先に進むことができません。前に進みたいのにザコ敵が邪魔している。戦いたくないのに避けようがない。一度エンカウントした後に逃げたとしても敵のシンボルはなくなりません。先へ進むには敵を倒すしかないのです。
敵のオブジェクト自体を出現させなくする方法はあります。ドラクエでいう聖水のようなアイテムがあって、それを使えば新たな敵シンボルの発生を抑止することができます。しかし、そのアイテムは店売りされておらず、ダンジョン内の宝箱から拾うしかありません。
しょうがないのでイヤイヤながら敵と戦うわけです。敵の攻撃エフェクトで面倒くさいこともありますが仕方ありません。幸いコマンド入力の手間はありません。△ボタンを押すと戦闘参加メンバー全員が自動的に攻撃コマンドを選んで攻撃してくれます。Rボタンなり×ボタンなりを押しっぱなしにしていれば、戦闘メッセージは高速で流れていきます。エフェクトでテンポが悪いと言っても、戦闘スピードは早いのでその点はいいです。ただしボタンを常に押しっぱなしにしているため疲れます。
そうやって戦闘を流していると、いきなりPTメンバーが即死したりします。このゲームでは、見た目がまったく同じなのに中身がめちゃくちゃ強くなっている敵が出てくるのです。「魔王」とか「ドスケベ」とかいうふたつ名を持った敵です。見た目がまったく変わらないので、オート戦闘やってると気づかずボコボコにされます。見分けるには出現時のエフェクトをじっくり確認するか(黒い稲妻エフェクトと共に表れるのでそれで分かる。ただし慣れるまでこれもわかりづらい)、△で戦闘スタートせず、コマンド入力を行って敵の名前を確認する必要があります。私はもう面倒くさかったので、難易度を「易しい」にすることで対処しました。
そんなこんなで戦闘のめんどくささを乗り越えた先に、戦闘終了後のリザルト画面が待っています。このゲームでは経験値のキャリーオーバーという仕組みがあります。レベル上げする際に便利なのですが、毎回「キャリーオーバーしますか?」と確認メッセージ出てくるので、これもまた面倒くさい。レベル上げ時にはお世話になりますが、普段は使いません。途中で逃げたりしたら、持ち越していた経験値がすべて没収されてしまうからです。にもかかわらず戦闘のたびに確認画面にノーと答えなければならないのです。たまにキャリーオーバーするつもりないのに、間違えてキャリーオーバーしてしまうことすらあります。
他にもボスを含めたところで戦闘でやることがほとんど代わり映えしないとか、いろんな要因が絡み合って、私はこのゲームの戦闘を好きになれませんでした。ザコ敵に関してはランダムエンカウントだったら幾分マシだったろうになんて、ゲームをプレイしながら思いました。そうであれば、ここまでこのゲームの戦闘を嫌いにはなっていなかったでしょう。テンポが良ければここまで面倒くさいと感じなかったでしょう。
ダンジョンRPGにおいて、戦闘は何度も何度も繰り返す要素です。ゲームのプレイ時間の大半を占める戦闘が面白く感じなかったので、私のこのゲームに対する印象が良くないのだと思います。
壁を破壊して進める
マップ上では目と鼻の先に階段があるのに、やたらと曲がりくねった道を歩きまわらないと辿り着けない、なんていうのはダンジョンRPGのあるあるの1つだと思います。
しかしこのゲームは一味違います。壁を破壊してまっすぐ突き進むことができるのです。アイテム回収したいけど、遠回りになって面倒くさいなんてときに、壁を壊して直進することで最短ルートで回収できます。マッピングされない面倒くさい迷宮でも、壁を壊して突き進めば迷子になりません。
この壁壊しはなかなか楽しかったです。なんといいましょうか、敷かれたレールを無視して突き進むという背徳感とでも申しましょうか。壁を壊すことで行ける場所が広がっていく。この壁の先には何かあるかな、なんて考えながらダンジョンを破壊していくのはとても楽しいです。
とはいえ、壁壊しを無制限に行えるわけではありません。1度の探索で壁を壊せる回数には限度がありますし、一度帰還してしまえば壊した壁は元に戻ってしまいます。さっさと先に進みたいけど、今後のことを考えて、結局素直に道なりに進んでしまうことも多いです。いわゆるエリクサー症候群ですね、せっかく使える便利な壁壊しも、使うのを渋ってしまうのです。
また、進行上壁を壊さなければ進めない場所が存在するので、壁壊しは任意で使えるショートカット機能というわけではありません。当然壁を壊せない場所もあるので、万能というわけにもいきません。
個人的には、この壁壊しがなくても進行できる作りになっていればよかったのになと思います。壁を壊して道を見つけないとストーリーが先に進まないという仕組みになっているのがとても残念でした。
落とし穴がひどい
ダンジョンRPGといえば、マップをすべて踏破するという人は多いと思います。私もそうです。階段とか宝箱とかはすべて取得しているものの、マップの一部に歯抜けがある。そんな状態が許せない。
そんな場合、とりあえず穴があったら突っ込んでいくのが人情っていうものです。実際、このゲームでも落とし穴に落ちないと辿り着けない場所が存在するので、覚悟の上で飛び込むことも必要です。
しかしその結果、2階層も下に落ちて想定以上のダメージを受けて全滅したり、あまつさえ落ちるとそのまま全滅が確定している落とし穴なんてのも存在しています(数は少ないですが)。
全滅時のペナルティ
全滅した時にアイテムロストがあります。これもかなりストレスになります。
というのもロストしたアイテムを具体的に確認できないのです。アイテム名が表示されますが、それがどのレアリティの武具なのかがわからないのです。
探索中に手に入れたアイテムからロストするのではなく、単純に所持しているアイテムからロストするようで、強化用に確保していた武器がロストする可能性もあるというわけです。実際にそういう大事なアイテムを失ったかどうかは私は確認していないのですが、可能性があるというだけでストレスです。ちょっとしたことで全滅することから、このアイテムロストは相当なストレスでした。
失ったかどうかを確認するすべは、全滅したあとでアイテムを確認するしかないのですが、大量に所持しているアイテムからどのアイテムがなくなったかなんて見ただけでは分かりません。
えげつないストーリー
「愛と勇気と友情で世界の危機を救うんだ」みたいなストーリーではなく、その点は好感が持てるなぁなんて思った時もなかったわけではないのですが、それにしても表現や描写がかなりえげつないです。
最終的にはいい話っぽく終わるのですが、それにしても序盤から中盤にかけてエログロお構いなしな展開でびっくりしました。
さらにはストーリー進行上唐突に出てくるバッドエンドもあまり気分のいいものではありませんでした。スタッフロールがいきなり流れるのですが、なんでそんなことになったのかが分からないから納得感がありません。しかもそのバッドエンドが終わった後は何事もなかったかのようにストーリーが再開するので、本当に意味が分かりませんでした。
ストーリだけ再確認したい
テキストのスキップ機能が充実している(自動送り・スキップ・オールスキップ)のに対して、読んだテキストを遡るバックログ機能はありません。○ボタン押しすぎて読み飛ばしてしまった文章を読みなおすには、2周目に入ってストーリーを見なおすしかありません。
せめてクリア後にはストーリーが確認できるギャラリー機能みたいなのがあって欲しかったです。
2周目にストーリーをじっくり再確認しようと思っても、ダンジョンの探索が間に挟まる(さらにめんどくさい戦闘がたくさん待っている)のです。ストーリーだけ確認したくともテンポが悪いです。
1周目と比べると、団員が育っているため敵に苦戦することはありませんが、大量のザコとのエンカウントは避けようがありません。ダンジョンのマップはクリア前の状態を引き継ぎ可能ですが、ストーリー進行に関わる鍵などはまた取り直しになるため、一気に最深部までいって魔女報告をしまくるというわけにもいきません。
ストーリーが見たいだけなのに、面倒くさい戦闘がそれを邪魔する。だから余計に戦闘が面白くないと感じるのかもしれません。
いろいろと文句を書き連ねましたが、2周+エクストラまでクリアするまで遊んだので、これくらいの不満をぶちまけるのは許してくれと言いたいです。意欲作ではあるとおもうのですが、いろいろ惜しくてもったいないなぁと思います。
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