ショートショートマンガ、ひきだしにテラリウムを読んだ感想
このコミックというよりこの作者を知ったきっかけは、「ダンジョン飯」というコミックが面白いという記事を見たのがきっかけでした。RPGゲームの冒険者たちが、ダンジョンに潜っている間ご飯をどうしているかというコミックのようで、発想が面白いなぁと思い興味を持ったのです。
この「ひきだしにテラリウム」は、その作者の短篇集となっています。33編ものショートショートが詰まった面白いコミックだと思います。個人的にこういうクスっとくるコミックは大好きです。表紙の絵柄と話の内容的に、「日常(あらゐけいいち)」が好きな人にはぴったりかもしれません。
基本的にショートショートなので、すべてのお話は独立しているのですが、最後のお話のオチは面白かったです。AmazonのKindle版でお試し版を無料で読むことができるので、ぜひぜひ読んでみてください。出てくる女の子がかわいいのが個人的にポイント高いです。
以下はこのコミックの中で特にお気に入りのエピソードの紹介です。
すれ違わない
意思疎通のすれ違いが起こりえない未来人のコミック家が、今の時代(作中では過去になる)をコミックで描くというお話です。すれ違いが起こりえない仕組みが、なんかものすごく滑稽で面白かったです。なんかもうちょっとカッコイイというか、スマートな方法はなかったのでしょうかw
パラドックス殺人事件
劇中の人物を演じているうちに役にハマりすぎて、「こんなひどい世界を作り出す神許すまじ」と、劇の神たる脚本家を殺害してしまう俳優の話。脚本家を殺してしまっては劇が成り立たず、殺害動機が成り立たないではないかなどと、いろいろと物議を醸しだします。すごい理由での殺人と、それを真面目に考証するところがシュールで面白いお話です。そしてこういうオチが私は好きです。
代理裁判
同じ職場のアルバイトの女の子に、街中で出会った際に挨拶したら無視されてしまう。これは嫌われているのかそうではないのかを題材に、主人公の脳内で裁判が行われるというお話。その裁判は公平に行われ、勝手な思い込みで決めつけちゃダメだねといういいお話で終わります。それなのにその直後で他の人に対して行われた裁判が偏見にまみれており、そのギャップが面白いです。
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