服を着るならこんなふうに

服を着るならこんなふうに
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マンガでわかる服の選び方みたいなコミック。コスパに目をつぶればわかりやすくて面白い

マンガで分かる○○シリーズを思い浮かべてほしい。この本は、それのファッション版だと思ってもらえば内容が想像しやすいのではないだろうか。

服装にまったく頓着しない社会人の男性が、デニムにトレーナーという服装で同窓会に参加し、同級生の垢抜けた服装にショックを受ける。それをきっかけにファッションが趣味という妹の手ほどきを受けながら、少しずつオシャレになっていくというストーリーとなっている。

ファッションに気を使っている人なら当たり前の情報なのかもしれないけれども、まったくもって無頓着な私からすると目からウロコな情報がいっぱいだった。

オシャレをする=高級ブランド品を身につける、服装にお金をかけるというイメージを私は持っていた。実際この本の主人公もそんなイメージを持っていたわけだけれど、「そうじゃないよお兄ちゃん」と天使のような妹から手ほどきを受けていく。

服をたくさん買うのではなく、着回しの効く汎用性の高いアイテムから用意していって、バリエーションを徐々に増やしていく。そのためにはまずはボトムスから。

高いブランド物を着ればおしゃれなのではなく、自分に似合う服を選ぶのだという考え方はなるほどなと思った。その昔オシャレそうな服を着れば自分もオシャレになるのだと頑張ってみたものの、実際来てみたらまったく似合ってなかった。それどころか逆にダサくみえててショックを受け、自分にはオシャレは無理なんだと諦めていた。そんな自分からすると目からウロコな考え方である。自分に似合う服を選べばよい。それを選ぶための考え方がこの本にはある気がする。

コストパフォーマンスを考えると、このコミック1冊分ちょっとで買えるハウツー本を買ったほうがお得だと思われる。

あえてコミックで読むメリットは、それこそ原書ではなく「マンガで分かる○○」をあえて選ぶのに通ずると思うが、ストーリー仕立てで必要なエッセンスをかいつまんで吸収できるということだろう。

主人公は服にお金を使うくらいならPS4のゲームを買って遊ぶほうが重要だ、なんていう考え方の人間なので、共感を覚える人もきっといるはず。そこから少しずつステップアップしていくので、「これを実践すればこう変わる」というのがイメージしやすいのもコミックのよいところかもしれない。

アクセサリなんてなんでつけるのか分からないなんて思っていたけれど、なるほどそういう基準で身につけたりするのかということがわかって面白かった。

またたんなる成功体験のみならず、おしゃれになってきたことに気を良くして失敗をしてしまうエピソードもあって、主人公の最初の状態から含めて非常に親近感を感じられる。それだけに、「ああ、自分でも挑戦できそうだな」と思えるのである。

ただやっぱり、定価だと手を出しにくい本ではある。Kindleでセールをやっていなければ買っていなかっただろうことはいえる。

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