マキタ18Vスプリットモータを使ってみた感想

充電式スプリットモーター18V
MUX18DZ
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パワーに不足は感じないがバッテリがとにかく持たない。

マキタのスプリットモーターを購入してしばらく使ってみた。

実際に購入を迷っている人に向け、私が悩んだポイントと実際に使ってみた感想を書いているので参考にしてもらいたい。

草刈り機が重い

これまで私はエンジン式の草刈り機を主に使っていた。26ccの背負式でありあわせの古いものをだ。パワーは十分だが、それ以外のところで不満があった。とくにベルトに問題があり、体にフィットせず実際よりも重く感じるのが不満だった。

そんなわけで新たにバッテリ式の草刈り機を検討しはじめた。

最終的には18Vスプリットモーターに決めたが、購入候補はこんな感じだった。

買うなら絶対に後ろにモーターがついているモデルにしたい。フロントモーター式だと水に注意しなければならないのが面倒くさいからだ。

そうなると18V機ではスプリットモーターくらいしか選択肢がない。

ついでバッテリの問題だが、18Vならすでに持っているバッテリを活用できる。私は18Vのバッテリなら4個持っているので、18Vにするならバッテリの購入はせずにすむ。対して40Vは2.5Ahのバッテリを1個だけ持っている状態だ1。草刈り機で使うなら追加で1つ、作業を考えるならできれば2つ欲しいところである。

そうなるとコスト的に厳しいものがある。そもそも40Vバッテリは基本的にセット品にお得感がない。そして40V機はバッテリなしなのに高い。もうちょっとオトクなセット品を用意してくれてもいいのではと思うが、一般ユーザーはメインターゲットじゃないんだろうから仕方がないか。

そういうわけで18Vに決定したわけだ。・・・と単純に決まったわけではない。

スプリットモーターを買うにしても、18Vで不満なく使えるのだろうか。パワー不足で結局40Vを買う羽目になりはしないか。それが一番の懸念点であり、悩みポイントだった。

懸念したパワー不足は感じない

結論から言ってしまうと、杞憂に終わった。18Vではあるがパワー不足は感じない。

主に使用用途は畑・田んぼでの草刈り。あくまで個人で1時間くらいの草刈りで使う分にはパワーは十分という話だ。

カタログスペックでは25cc相当のパワーがあるらしいので、エンジンで使っていたものと変わらない。実感としてもあまり違いを感じない。

ただあくまで草刈りにおいてはパワー不足とは感じないという話なので、たとえばカルチベーターアタッチメントを使って土寄せをしたい場合はおそらく18Vではパワー不足だと思う2

しかし草刈りする分には十分。むしろ18Vかと思うくらいのパワーで刈れて快適である。

何より軽いのがいい。軽いは正義。

まあ軽いといっても約5kg(カタログ上は4.1kgだがチップソーとかもろもろ合わせるとこれくらいだろう)あるので、あくまで背負式と比べて軽いという話だ。それでも作業後の疲れ具合がまるで違う。

ただパワー不足を一切感じないかというとそうではない。ナイロンコードを回すときはもっとパワーが出たほうが快適なのかなと感じる。ナイロンコードメインで使うなら40Vの方が快適そうである。フルパワーで回せば十分なパワーであるが、それだと持続時間が短すぎる。バッテリに関しては後述。

先端を切り替えてメリットは大きい

スプリットモーターというだけあって、先端を差し替えるだけでナイロンコードとチップソーを気軽に切り替えられるのはすごい便利である。むしろこのために買ったまである。

チップソーでざっと刈ってナイロンコードで際まで刈るみたいな使い方が気軽にできるのがメリット。実際には面倒くさくてチップソーで刈ったところをもう一度やるなんてことはしないけれど。

チップソーであらかた刈ったあと、障害物の多いキワの部分をナイロンコードで仕上げる。

とりあえず先端アタッチメントを現場まで持っていき、硬い草や密集具合をみてナイロンコードとチップソーを臨機応変に使い分けられる。これが思った以上に快適で刈ってよかったと思うポイントだ。

バッテリのもちは非常に悪い

反面、バッテリの持ちは非常に悪い。特にナイロンコードは本当にバッテリが持たない。

はじめはナイロンコードアタッチメントのみ購入して使ってみたのだが、モーターを全開で回すと10分でバッテリが尽きてしまう。驚きの作業時間である。

そのためナイロンコードのみですべてやろうとするのは現実的ではないと悟り、チップソーアタッチメントをすぐに買い求めた。

そのチップソーでも30分持てばいい方だ。

低速の場合は1時間動くとカタログにはあるけれど、あれは無負荷時の話なので。モーター1でかつスロットルを調整すれば3と1時間作業できるかもしれないが、基本的に6Ahのバッテリ一本で30分と思ったほうがいい。実際に時間を測ったわけではないので肌感覚だが、チップソーで30分、ナイロンコードで10分といった稼働時間。

休憩しながらちょっと作業をする使い方にはあっているけれど、それでもバッテリ3本使ってようやく普通の作業ができるという感覚だ。作業中バッテリが切れて交換する手間が地味に面倒だったりする。

ちなみにフルパワー&フルスロットルはバッテリにも負担のかかる使い方なのであまり頻繁にやらないほうがいいかもしれない。バッテリがものすごく発熱していて、作業直後では充電ができないほどだ(異常過熱で充電エラーになる)。ナイロンコードを使う予定のある人は絶対に互換バッテリを使わないように。純正バッテリですら異常加熱するくらいなので、互換バッテリだと簡単に壊れそうである。

先端アタッチメントの雑感

チップソーアタッチメントはとにかく草が詰まる。カバーの上下方向の余裕がめちゃくちゃ狭いためで、私はカバーを少し後ろに設定しなおした。絡みとり機能がない18Vではやむを得ない。

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標準のチップソーは軽快チップソーで、やたらとチップが長持ちしている。値段も比較的リーズナブルなのでリピートしてみてもいいかもしれない。


ナイロンアタッチメントは刈り刃の角度がちょっと変わっていて、チップソーに比べてやや足元近くにくる感じの角度になっている。人によっては使いにくいと感じるかもしれない。

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脇に抱え込むような形で刈るようになる角度で、トリガーの位置が脇の横に来る感じになる。

標準でついているナイロンコードは叩き出しタイプ。私は自動繰り出しのものに取り替えて使っている。

ナイロンコードアタッチメントという名前であるが、ナイロン専用というわけではなくもちろんチップソーをつけて使うことも可能ではある。が、わざわざチップソーに取り替えるのはスプリットモーターを使うメリットを殺しているようなもので、素直にアタッチメントを切り替えて運用したほうがいいと思う。

カバーは標準のものがかなり優秀で、下方向からの跳ね返りはしっかり防いでくれる。ただし跳ね返りがないわけではなく、上方向の飛散物にかんしてはダイレクトにかぶることになる。別途カバーをするか、そもそも汚れてもいい服装で作業すること。それでもエンジン式草刈り機を使っていたときと比べるとだいぶ少ない印象だ。

ただカバーが大きいので刈る際に地面や障害物に当たって取り回しに影響がある。しかし飛散物防止の意味でも役割は重要だし、ナイロンコードが極端に長くならないようにカッターがついているので、外す選択肢はない。

上部からの飛散物はマキタの別売りで販売されているカバーを使っている。縦にセッティングして上部からの飛散物のみ防げるようにして運用中だ。


ナイロンコードを使っていても草が極端に密集している箇所や、茎がものすごくかたいもの相手のときにはパワー不足を感じる。たとえばセイタカアワダチソウ相手だと茎を切り飛ばせずに消耗するだけなので、素直にチップソーで切る方がいい。稗もやや苦手である。

今後のアタッチメントの展望

刈払い以外のアタッチメントもあり、私が購入を考えているのは高枝チェーンソーアタッチメントとヘッジトリマアタッチメントだ。

せっかくのスプリットモーターなのだから何かといろいろな用途に使いたいと思っている。むしろ使わねば損だ。

購入して使ってみたら改めてレビューしてみたい。

パワーと持続時間の兼ね合い

フルパワーで動かせばパワー不足は感じないが、それだとバッテリーがあっという間に干上がってしまうのが難点だ。特にナイロンコードは低速モードでは快適に作業できない。ナイロンコードを使っていると本当に作業にならないレベルでバッテリの消耗が激しい。バッテリ3本持って行ってるのに1hも作業できないのだから。まあその分パワーはあるということなんだろう。

しかしメリットは計り知れない。やはり軽くて気軽に持ち運べるのは楽だ。40Vや36Vだと1kg増えると考えると、気軽に取り回せるメリットは大きい。

理想をいえば40Vの方がパワーもあって長持ちしそうだからそっちにしてもよかったのだけど、コスパが非常に悪くて断念した。今あるバッテリ資産を有効活用できるから18Vにしただけなのだ。

18Vと40Vの違いはパワーだけではなく、40Vにはある絡みとり機能が18Vにはなかったりする。ヘッド部分への巻付きがかなりひどいので絡みとり機能は欲しかったなあと使っていて思う。個人的には正転と逆転を切り替える機能がほしい(ナイロンコード使うときは逆転で使いたいから)。もっともそんな機能つけると逆に危ないからオミットするのは理にかなっている気はする(チェーンソーアタッチメントをつけて逆転とかできてしまうから)。

総じてバッテリの持ちだけ不満だが、軽くて気軽に作業ができるのでちょっとした作業をする分にはちょうどいいと思っている。1時間作業したら強制的にバッテリ充電のための休憩が入ると思えばちょうどいい感じだと思う。体力的にもそれくらいで切り上げるくらいが私にはあっている。


  1. 40Vのエアダスタを購入したため持っている。ちなみにその後18Vでエアダスタが出てきて、何のために40V買ったんだ・・・という気分にさせられたので40Vに対する印象はすこぶる悪い。個人的な恨みではあるが。 ↩︎

  2. では40Vなら十分かというと、カルチベーターを使うなら40Vでもパワー不足ではないかと思う。 ↩︎

  3. 18Vスプリットモーターはスロットルの握り具合で出力を制御できる。楽々モードがない代わりに自力で調整する方式である。思いっきり握り込んだまま作業するより、適度に力を抜いてやったほうが体にはよさそう。 ↩︎

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