九井諒子作品集、竜のかわいい7つの子を読んだ感想

九井諒子作品集 竜のかわいい7つの子
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クスリとくる設定と、クスリでは終わらせない展開が大好きだ。

以前に九井諒子さんのコミックを購入した続きです。タイトルとおり7つの短編が収録されたコミックとなっています。

7編それぞれに味わいがあっていいですが、私が特に好きなのは「金なし白祿」と「犬谷家の人々」です。

金なし白祿

金なし白祿は、稀代の画家である白祿さん(ただし金はない)がお金を工面するために自分の描いた画を使ってお金を得ようとするお話です。

この人の描いた画には片目が描かれていません。それは目を入れてしまうと魂が宿って本当に動き出してしまうからです。お金がない彼はそこに目をつけ、自分の描いた動物たちに目を入れてやり、画から飛び出したところを捕まえて売り払おうとするのです。

ただし彼はかなりの老体で、動き出した動物たちを捕まえることはできません。そこで、唯一手元に残っていた武士と馬の画に目を入れ、お供とすることにしました。ただしその画は本人が描いた画ではなく、どこの誰が描いたかわからない贋作でした。

しかも相当に出来の悪い贋作で、服の柄は適当、持っている刀はなまくら、馬は二人乗るとひしゃげてしまうような出来です。しかし目だけは本人が描いたので眼力だけは凄まじいのですが、動き出した動物たちを捕まえるほどの力は持ち合わせていません。

そんな従者と共に、果たして白祿は思いとおりにお金を得ることができるのでしょうか・・・というお話です。終盤の展開がお気に入りの理由です。

犬谷家の人々

犬谷家の人々は全員超能力を持った一家です。物語は双子の姉妹が超能力が開花した日が舞台となっています。

家族全員が仰々しい超能力を持っています。テレパス、パイロキネシス、テレキネシス、空中浮遊、透明化。姉のゆりかは次元を歪めるという能力に開花しました。一方で妹の妹のありさは、なぜか着ている服をパジャマに変えるという変な能力に目覚めてしまいました。

なぜパジャマに変える能力なんだ・・・。超能力=すごいというイメージの中で、こういうしょうもない能力がさらりと混じってくるのがお気に入りの理由です。

一体何の役に立つのか分からないこの能力。開花した本人でさえ何の役にも立たないと思っていたこの能力。そんな能力が、殺人事件を解決してしまうなどと誰が想像できたでしょうか。

Kindleでかなり安く手に入る

こちらのコミックはKindleでかなりお手頃な値段で手に入れることができます。上記以外の作品も面白いので、セールしてたらぜひぜひ試しに読んでみてください。

といってもKindleはすさまじい割引してたり、かと思えば元に戻ったりと安定しません。Kindleは低価格で本を手に入れることができて便利ですが、本を買うタイミングが難しくなって困りものです。

安くなってても「まださらに下がるかも」と思ってしまい、いつ買えばいいのか悩ましいです。買った後にさらに値下がってるとなんか悔しいですからね・・・(214円で買ったら、今見たら185円でちょっとしょんぼり)。

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